代理店、商社、卸売業での差別化戦略とは?

代理店、商社、卸売業での差別化戦略とは?

代理店、商社、卸売業は同業他社と同じ商品、サービスを販売しているため必然的に価格競争になります。

そして、顧客はその価格競争の状態を利用して少しでも安く購入できるように値引き交渉をするため、さらに価格競争が激化し、ますます薄利多売を行うことになります。

この状態を脱却する方法はあるのでしょうか?

値引き販売は差別化戦略とは言えない

経営、営業戦略の本などには商品、サービスの差別化を行うことが重要である、と書いてあることがありますが、本当でしょうか?

基本的には本当だと思いますが、それが全ての業種業態に当てはめることができるのか?と問われれば、やはり違うと答えるしかありません。

なぜなら、代理店、商社、卸売業の場合は、扱う商品、サービスが同業他社と同じであるからです。

このように、同じ商品、サービスを扱う同業他社との戦いに勝つためにはどうのような差別化が必要になるのか?

1番簡単な方法は値引き販売することで同業他社よりも優位にポジションを得る方法です。

しかし、この方法は参入障壁が低いため同業他社にすぐに追従されますので、あまり効果的な差別化とは言えません。

なぜならば、基本的には同じ商品、サービスを販売しているのですから仕入れ価格もほぼ同じであるため、同業他社も同様な値引き販売が可能だからです。

よって、このような場合は商品、サービスを差別化することは事実上不可能になりますので、別の方法を考える必要があります。

商品、サービスではなく会社を差別化する

代理店、商社、卸売業の場合の差別化戦略とはどうあるべきなのか?

それは、同業他社ができない企画提案型の営業ができる会社を目指すことで同業他社とは違う会社、つまり会社差別化することが重要だと考えます。

例えば、食品梱包資材(魚、肉などのトレイやパッケージ)を販売する卸売業の場合であれば、スーパーマーケットなどへ自社の食品梱包資材を活用した売場づくりの提案などを行うことができれば、同業他社との差別化が可能になると考えます。

または、顧客であるスーパーマーケットなどが仕入れるルートがない食材を自社の食品梱包資材とセットで販売することができれば、同業他社との大きな差別化につながります。

これらのような企画提案営業ができれば参入障壁が一気に高くなるため、同業他社の追従を防ぐことが可能になり、価格競争から脱却することが可能になります。

なぜならば、企画提案が顧客に認められるまでの過程は想像以上に長く困難な道のりであるため、そのノウハウを同業他社が習得するにはかなりの時間を要するからです。

また、他社が企画提案営業を学んでいる間にも自社では次々と新しい試みができるため、ノウハウの差を埋めることがさらに困難になるからです。

「買ってください」から「売ってください」に変化することで主導権を握る

さらに、企画提案営業ができる会社になることで、顧客の業績向上に直接的に貢献することができるため顧客からの信頼が増し、継続的な取引を続けることが可能になります。

そして、顧客の同業他社はその業績向上の理由を解明することができた段階で今度は取引先を他社から企画提案ができる会社へ変更することを検討することになります。

つまり、これまで「買ってください」とお願いしていた顧客から今度は逆に「売ってください」と言われることになれば、その段階で主導権は買い手ではなく売り手に変わります。

その結果、価格交渉などを売り手に有利な条件を引き出すことが可能になります。

売り手と買い手は常に買い手が有利な場合が多いですが、このように代理店、商社、卸売業において会社の差別化を行うことで売り手と買い手の立場を逆転させることが可能になります。

そして、売り手が優位なポジションを得ることでさらなる「売ってください」が増えるため、新規開拓をする必要すらなくなる可能性も高くなり、さらなる業績向上を見込むことが可能になります。

つまり、差別化戦略とは商品、サービスだけではなく、会社そのものを差別化させることで、同業他社よりも有利なポジションを得る戦略と言えます。

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投稿者プロフィール

山下午壱
山下午壱エグゼクティブコーチ/経営コンサルタント
1968年生まれ。兵庫県出身。
玩具業界(商社)、映画業界を経て人材サービス業界で20年働く。
中堅規模の人材サービス会社の経営の傍らで多くの経営者と交流し、中小企業の社長の立場でコーチング、コンサルティング実績を積む。現在はエグゼクティブコーチ+経営コンサルタントを組み合わせた独自の手法で活動中。