
新年最初の記事になりますので、新年らしい話題から始めてみたいと思います。
新年になると、経営者の多くが「今年こそは」と目標を立てます。
ところが年末に振り返ると全く目標が達成できていないと気づく、または目標そのものを忘れていたことに気づくことはないでしょうか?
目標は立てただけでは前に進まず、途中で点検し、必要なら修正することで初めて達成に近づきます。
車も、地図に目的地を書いただけでは着かず、走りながらルートを確認しますよね。
この記事では、新年に目標を立てたくなる心理の背景と、達成できない最大の原因が「途中を見ていないこと」にある理由を分かりやすく整理します。
この記事のポイント
- ✅中間目標で管理化
✅進捗確認で軌道修正
✅新年の心理を活用
第1章 なぜ人は「新年」に目標を立てたくなるのか
新年は、気持ちを切り替えやすい「節目」です。
心理学的な考えだと、区切りのタイミングが行動のやる気を高める現象が知られており、海外の研究では「フレッシュスタート効果」と呼ばれています。
新年は「過去の自分」と「これからの自分」を分けて考えやすくなるため、「ここからならやり直せる」と感じ、目標を立てやすくなります。
この傾向は、経営者にも強く出ます。会社は日々の判断の連続で、予定外の出来事も多いからです。
だからこそ年のはじめに方針を言語化し、意思決定の基準を作ろうとします。
ここで押さえたいのは、新年に目標を立てること自体は合理的だという点です。
ただし、このやる気は永遠ではありません。
勢いで立てた目標は、定期的に見直さなければ自然に薄れていきます。
第2章 なぜ新年の目標は達成されないのか?
新年の目標は「間違っている」わけではない
新年に目標を立てること自体は、前向きで正しい行動です。
実際、多くの経営者が年初に数字や方針を書き出し、「今年はここまでやる」と決意します。
ただ、現実を振り返ると、その目標が年の途中から話題に上らなくなり、気づけば年末を迎えているケースは少なくありません。
ここで重要なのは、目標が間違っていたわけでも、やる気が足りなかったわけでもないという点です。
多くの目標が途中で意識から消えていく理由
新年の目標が達成されない最大の理由は、立てたあとに「途中を見ていない」ことにあります。
目標は、立てた瞬間がもっとも意識されやすく、その後は日々の業務に埋もれていきます。
特に中小・ベンチャー企業の経営者は、現場対応や意思決定に追われ、目標を定期的に確認する時間を後回しにしがちです。
その結果、目標は存在していても、実質的には放置された状態になります。
確認されない目標は、存在していないのと同じ
途中経過を確認しない目標は、管理できません。
進んでいるのか、遅れているのか、そもそも方向が合っているのかが分からなければ、修正のしようがないからです。
車で目的地に向かうときも、ナビを一度も見ずに走り続ける人はいないはずです。
目標も同じで、定期的に状況を確認し、必要に応じてやり方や優先順位を調整して初めて、達成に近づきます。
新年の目標が達成されないのは、「立てっぱなし」にされ、その後の確認と修正が行われていないことが、ほとんどの原因なのです。
第3章 中間目標がない目標は、管理できない
最終目標だけでは、進捗は判断できない
目標が達成されない理由として見落とされがちなのが、「中間目標」の不在です。
多くの経営者は、年初に最終的なゴールだけを決めます。
しかし、そのゴールに向かって今どの地点にいるのかを判断する材料がなければ、目標は管理できません。
最終目標はあくまで到着点であり、そこに至るまでの途中経過を測る目印がなければ、進んでいるのか止まっているのかさえ分からないのです。
中間目標は「評価」のためではなく「確認」のためにある
中間目標というと、評価やチェックのためのものだと考えられがちですが、本来の役割は違います。
中間目標は、現状を把握し、必要に応じて軌道修正するための確認点です。
達成できていなければ失敗、ではなく、想定と現実のズレを早めに把握するために設定します。
中小・ベンチャー企業では環境変化が早く、計画どおりに進まないことは珍しくありません。
だからこそ、中間目標がなければ、ズレに気づくタイミングそのものを失ってしまいます。
第4章 進捗確認が機能する目標の条件
「何を・いつまでに・どのように」を決めているか
進捗確認が機能するかどうかは、目標の立て方でほぼ決まります。
多くの目標が機能しないのは、「頑張る」「強化する」「注力する」といった抽象的な表現で終わっているからです。
進捗を確認するには、何を行うのか、いつまでに行うのか、どのような方法で進めるのかが明確でなければなりません。これが曖昧なままでは、確認そのものができません。
進捗確認は「監視」ではなく「修正」のために行う
進捗確認という言葉に、管理や監視のイメージを持つ経営者もいます。
しかし本来の目的は、責めることでも評価することでもなく、修正することです。
予定どおりに進んでいなければ、やり方を変える、優先順位を見直す、期限を調整する。
その判断をするために進捗を確認します。
確認しなければ、判断材料がなく、結果として何も変えられません。
確認のタイミングをあらかじめ決めておく
進捗確認が形骸化する原因の一つが、確認のタイミングが決まっていないことです。
「時間があるときに見る」では、ほぼ確実に見なくなります。
月次、四半期など、あらかじめ確認するタイミングを決めておくことで、進捗確認は仕組みとして機能します。
目標は立てて終わりではなく、確認し、修正し続けることで初めて意味を持つものです。
第5章 目標は放っておいても達成されない
目標を立てること自体は間違いではない
ここまで見てきたとおり、目標を立てること自体を否定する必要はありません。
むしろ、経営者が目標を持たずに経営することのほうが危険です。
問題は、目標を立てたあとに何も起きない状態を放置してしまうことにあります。
放置された目標が達成されないのは自然な結果である
目標は、生き物のようなものです。
立てた瞬間は鮮明でも、確認されず、手を入れられなければ、存在感は薄れていきます。
進捗を確認し、必要であればやり方や期限を見直す。
この繰り返しによって、目標は現実に適応し続けます。
放っておかれた目標が達成されないのは、自然な結果とも言えます。
経営者にとって重要なのは、完璧な目標を作ることではありません。
確認できる形で設定し、定期的に向き合い続けることです。
目標は立てた時点で終わりではなく、そこからがスタートです。
扱われ続ける目標だけが、経営の意思決定を支え、結果につながっていきます。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 中間目標はどの程度まで作ればいいですか?
A. 最終目標から逆算し、月次や四半期で進捗が判断できる粒度にします。重要なのは細かさより、期限と達成判定ができることです。
Q2. 進捗確認はどれくらいの頻度が適切ですか?
A. 中小・ベンチャー企業なら、最低でも月1回、重要テーマは週次の短時間確認がおすすめです。頻度は目標の性質と変化の速さで調整します。
Q3. 途中で状況が変わったら、目標は変えてもいいですか?
A. 変えて構いません。進捗確認の目的は監視ではなく軌道修正です。前提条件が変わったなら、期限・手段・優先順位を見直すのが合理的です。
Q4. 数値化できない目標はどう管理すればいいですか?
A. 状態で判定できる形に落とします。たとえば準備完了、体制整備完了、初回運用開始など、誰が見ても同じ判断になる基準を置くと管理できます。
Q5. 進捗確認が形骸化しないコツはありますか?
A. 確認日を先に決め、確認する項目を固定します。毎回ゼロから考えず、確認する数値や状態、次の打ち手を短く記録すると継続しやすいです。



