従業員へのリスキリングはどのような方法で行えば良いのか?

従業員へのリスキリングはどのような方法で行えば良いのか?

近年、リスキリングがビジネスの中で注目を集めていますが、その実践は簡単ではありません。

特に、20代と50代の従業員が継続的にリスキリングに取り組むことは難しいとされています。

この記事では、従業員へのリスキリングを成功させるための方法について、ジャパン・リスキリング・イニシアチブ代表理事の後藤宗明氏のお話を参考にお伝えします。

リスキリングの重要性と課題

2023年はリスキリングが広く浸透した一方で、実践において難しさが浮き彫りになった年でした。

オンライン学習が一般的になりつつある中で、「自主性に任せるだけでは、学び続けられない」との課題が明らかになりました。

後藤宗明氏によれば、2024年は「リスキリングの成果が求められる1年」であり、企業は投資効果(ROI)を追求するでしょう。

従業員にとっては、具体的なスキルの成長や新しい業務に対応できることが求められます。

正解志向からの脱却とストリートスマートの必要性

2024年において、取り組むべきリスキリングの方針として、正解志向からの脱却が重要です。

AIの進化により正解を導き出すことは得意な領域となり、求められるのは「ストリートスマート」な能力です。

アカデミックスマートからの転換が求められ、実践とアウトプットの能力が重視されます。

アカデミックスマートとストリートスマートとは

アカデミックスマートは主に書籍や学問に基づく知識や理論に強い人物であり、学問的なアプローチや論理的思考が特徴です。

これに対して、ストリートスマートは日常の経験や実務的な知識、柔軟性や実践的な洞察に強い人物を指します。

アカデミックスマートは理論的な学習を強調する一方で、ストリートスマートは実践と経験を通じた実用的なスキルを重視します。

柔軟性、適応力、問題解決力、人間関係構築のスキル、リーダーシップの素質などが、ストリートスマートな能力の特徴とされています。

これらの対照的なアプローチは、ビジネスや現場において異なる視点やスキルが求められていることを反映しています。

ストリートスマートを身につけるためのアプローチ

20代、30代向けのアプローチ

後藤宗明氏が提案する中で特におすすめなのは、3カ月間の語学留学です。

異なる価値観に触れ、自分の視野を広げるためには短期留学が効果的です。

言語を学ぶだけでなく、新しい文化や習慣に触れることでストリートスマートさが身につきます。

40代以降向けのアプローチ

この年齢層では「アンラーニング(学習棄却)」がキーワードです。

過去の成功にすがることなく、未来に向けて柔軟で変革力のある姿勢が求められます。

また、身近な人に自己評価を聞くことや、社外での活動で自社名を伏せることで、本当の価値を見つける手助けとなります。

リスキリングへの企業の対応

従業員へのリスキリングはどのような方法で行えば良いのか?
(引用元:帝国データバンク「リスキリングに関する企業の意識調査」より

2022年段階での企業におけるリスキリングへの取り組みはグラフのように大企業が先行して行われています。

しかし、実際のリスキリングの内容は・・・

  • 新しいデジタルツールの学習
  • 従業員のデジタルスキルの把握、可視化
  • 経営層による新しいスキルの学習、把握

など企業のDX化に紐づく内容のものが多いことが分かります。

この傾向はどちらかと言えば、ストリートスマートというよりは、アカデミックスマートに近い内容であり後藤宗明氏が提唱するリスキリングとは異なると思われます。

外部環境の変化に対応し、自分自身をアップデートするという観点においてはリスキリングに該当しますが、日常の経験や実務的な知識、柔軟性や実践的な洞察に強い人物を目指すストリートスマートという観点とは内容が一致しないのではないでしょうか?

DX化への対応は企業にとって生産性向上やワークライフバランスの充実など必要な観点ではあるが、DXツールはあくまでもツール、つまり手段であり目的ではありません。

DXツールを使いこなして何を生み出すのか?がストリートスマートではないのか?と考えます。

従業員へのリスキリングのポイント

従業員へのリスキリングは、外部の環境変化に対応し、常に自分をアップデートし続けることが鍵です。

特定のツールに頼るのではなく、環境変化に柔軟に対応できるストリートスマートを重視しましょう。

2024年は自分にとってなぜリスキリングが必要なのか、その根本に向き合うことが始まりです。

このようなアプローチを通じて、企業は従業員のスキルアップを促進し、個々の成長を支援することができます。

成功するリスキリングのためには、正解志向からの脱却と柔軟な学びの姿勢が不可欠です。

 

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