若手社員は失敗から学ぶことができるのか?

若手社員は失敗から学ぶことができるのか?

マネージャーとして、若手社員に自由な発想を尊重し、失敗から学ぶ機会を与えようとしているものの、なかなか成果が上がらない。

これは「失敗から学ばせよう」という幻想に陥っている可能性があります。

失敗から学ぶことは重要ですが、その前提条件やタイミングを見極めることも同様に重要です。

失敗から学ぶための前提条件

PDCAサイクルの理解

失敗から学ぶためには、PDCA(Plan, Do, Check, Act)サイクルを理解していることが前提です。

自分で振り返り、改善点を見つけ、次に活かすことができるかどうかが重要です。

若手社員にはまず、この基本的なプロセスを身につけさせるべきです。

経験とスキルの蓄積

失敗から学ぶには、一定の経験とスキルが必要です。

未経験の状態から大きなプロジェクトやアイデアを任せることは、失敗のリスクを高めるだけでなく、学びが得られにくくなります。

まずは基本的な業務を通じて経験を積ませ、スキルを向上させることが肝要です。

失敗のタイミングと適切な指導

自由な発想の前に基本を身につけさせる

若手社員に「自由な発想をどんどん出してください」と指導する前に、基本的な業務やプロセスを学ばせるべきです。

未経験の状態からの自由な発想は、失敗のリスクが高まり、学びが得られにくいことがあります。

基本を身につけた上で、段階的に自由なアイデア出しを促進することが望ましいです。

個々の能力や経験を考慮し任命

若手社員に与える仕事やプロジェクトは、その人の能力や経験に合わせてアサイン(任命)することが大切です。

無理に難易度の高い仕事を任せると、失敗が挫折につながる可能性があります。

個々の社員の成長段階やスキルを考慮して、適切な課題を与えることが大切です。

サポートとフィードバックの提供

失敗から学ぶためには、サポートとフィードバックが欠かせません。

若手社員がアイデアを出したりプロジェクトを進める際には、定期的に面談を行い、進捗や課題について共有することが大切です。

失敗しても叱責ではなく、建設的なフィードバックを提供し、次に活かせるようにすることが重要です。

大多数は「自由」よりも「指示」を求める

多くの社員は、自由な発想よりも具体的な指示やガイダンスを求めることが一般的です。

特に未経験の領域に挑戦する場合、細かな指示があると安心感を得られ、仕事に取り組みやすくなります。

マネージャーは部下の個性や求めるスタイルを理解し、柔軟な指導法を取り入れることが重要です。

「失敗カンファレンス」

NTTが新たなアプローチで社内イベント「失敗カンファレンス」を開催。

これは若手社員に限らず社員が失敗体験を共有し、挑戦を促進する取り組み。

社長の島田氏は「失敗を恐れず新しい価値を創造する社員を育てたい」と語る。

この試みは、従来の硬直的な人事制度の改革と連動。低迷するNTTが民営化以来の最大の人事改革を実施し、年功序列を撤廃、20代の課長昇進も可能に。挑戦と学びの文化を醸成し、新たな社員の活躍に期待が寄せられている。

このようにNTTなどの大企業では「失敗から学ぶ」ということを逆に俗に言う「大企業病」からの打開策の一環として利用する試みも行われいます。

しかし、この場合登壇する社員は若手ではなく、一定の経験や上記のPDCA(Plan, Do, Check, Act)サイクルを理解している社員が対象であるべきである。

なぜなら、「失敗を恐れず新しい価値を創造する社員を育てたい」という島田社長の言葉からも分かるように、失敗から学ぶことを前提にしているからです。

失敗から学ぶにはPDCA(Plan, Do, Check, Act)サイクルを理解している、つまり、 CheckとActができるからこそ改善点の洗い出しとその対策が可能になるからです。

若手社員が失敗から学ぶには?

若手社員に失敗から学ぶ機会を提供することは重要です。

しかし、その前提条件やタイミングを見極め、適切なサポートと指導を行うことが不可欠です。

自由なチームづくりは一朝一夕には成功せず、個々の社員の成長段階や特性を理解し、段階的にアサイン(任命)やフィードバックを行うことが成功への道です。

若手社員が失敗から本当に学び、成長できるような環境を整えなければ失敗から学ぶことという教育は無価値なものになります。

 

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