会社に何本のボールペンがあるのか?社長は把握していますか?

会社に何本のボールペンがあるのか?社長は把握していますか?

社長であるあなたは会社の中に会社が支給したボールペンが何本あるのか?を把握していますか?

これは会社の中にボールペンが何本あるのかを把握することが問題ではありません。

ボールペンを会社の経費で購入する際の仕組み、承認フローがどのようになっているのか?をご存知ですか?ということをお伺いしているのですが、社長はどこまで把握されているでしょうか?

従業員が20名の会社にボールペンが100本以上あった

私が若い頃に勤めていたベンチャー企業では、組織というものがまだ構築されていませんでした。

社長、部長、一般社員という階層しかなく、社長も部長も自ら営業活動に飛び回ることで、一般社員はそれをフォローするような仕組みが自然と構築されていました。

その会社も業績が好調になり従業員の人数が10人から15人、20人と増えていく中で、今まで存在しなかった総務・人事部という部署が作られ、総務・人事部長という肩書の方が転職されて管理部門が作られました。

その総務・人事部長が最初に行ったことが社内の文房具の棚卸しでした。

一応会社の事務所の中には事務用品をまとめて保管する棚があり、従業員は必要なものをそこから各自補充していました。

そして、文房具の在庫が無くなると社長に購入しても良いか?と口頭で確認し気がついた人が文房具を補充するようなことに自然となっていました。

総務・人事部長はその文房具を保管する棚の中にあるものを全てリスト化し、在庫数を記入。

さらに、従業員の机の中にあるボールペンの数を数えた所、従業員20人ほどの会社の中には新品、使用中のものを含めて100本以上のボールペンがあることが分かりました。

組織化の一歩目は申請・稟議による承認を得る仕組み作り

その結果、各自の机の中にあったボールペンは基本的に2本までとなり、残りのボールペンは棚に返却されました。

その後、その会社で初めての申請書が登場し、文房具などの備品購入に関してはボールペン1本、消しゴム1個でも総務・人事部長へ申請し、受理されると文房具の保管場所から申請した分を補充することができるという仕組みができました。

これによって、年間の文房具費がどの程度削減されたのかは当時の私には知ることができませんでしたが、その後この会社では、立ち話で決まっていた各種の事柄が、申請書、稟議書という形に代わり徐々に組織としての形が作られていきました。

恐らく人事・総務部長は、申請、稟議というシステムをいきなり導入すると従業員から反発が起こるので、まずは身近なところで管理することの重要性と必要性を従業員に示すことで、組織化の一歩を踏み出されたのだと思います。

成長過程の中小企業・ベンチャー企業の組織構築とは?

組織の基本は上意下達と下意上達(ボトムアップ)の円滑化と責任の明確化です。

従業員が数名の会社ではそのようルールに縛られれるような手法は必要性が低く、どちらかと言えばスピード感が求められます。

しかし、従業員の人数が10人、20人と増えることで暗黙の了解は通用しなくなりますので、上意下達と下意上達(ボトムアップ)の仕組みが必要になります。

その仕組みが必要であるということは、経験者なら分かっていますがそのような環境を経験したことがない方にとっては苦闘に感じます。

よって、ワイワイガヤガヤと物事を決めて運営していた会社に、いきなり申請書だと稟議書などという仕組みを押し付けても結局は絵に描いた餅同様に機能しなくなり、形骸化します。

それはその組織のレベルが低いということではなく、正しい方法を知らないだけですので、正しい方法を教え、その必要性を理解させることで徐々に会社の中に正しい方法が理解され、正しく運用されるようになります。

私も経営コンサルタントとして組織構築などのご相談をお請けすることがありますが、組織構築を行うには仕組みを作る前に、その有用性を従業員の方々に実感してもらう必要性があると考えます。

その点において、私が若い頃に働いていて会社に転職されてきた人事・総務部長は組織構築の正しい方法を実践されたのだと思います。

Follow me!

投稿者プロフィール

山下午壱
山下午壱エグゼクティブコーチ/経営コンサルタント
1968年生まれ。兵庫県出身。
玩具業界(商社)、映画業界を経て人材サービス業界で20年働く。
中堅規模の人材サービス会社の経営の傍らで多くの経営者と交流し、中小企業の社長の立場でコーチング、コンサルティング実績を積む。現在はエグゼクティブコーチ+経営コンサルタントを組み合わせた独自の手法で活動中。