会社はなぜ在宅勤務ではなく出勤することを希望するのか?
アメリカの求人サイト「Monster」が1,800人以上のアメリカの就業者や人事担当者を対象に行ったアンケート調査によると、社長の35%が従業員に対して100出勤を求める、33%がハイブリッド勤務を求めるなど60%以上の社長が従業員に対して会社に出勤することも求めています。
なぜ、コロナ禍で在宅勤務を推奨していたアメリカ企業でさえ、会社に出勤して仕事をすることを望むようになったのでしょうか?
在宅勤務の問題点が露呈した
同アンケートによると社長の20%が「在宅勤務の生産性が低い」と考えていることを考えると、コロナ禍によって強制的に行われた在宅勤務という働き方の問題点が初めて露呈したということが言えます。
例えば、ディズニーでは「クリエイティビィティには協働が必要だ。社員が成長するにはリーダーやメンターから学ぶことが必須である」として、反対する従業員を含めた約7,000人の従業員を解雇しています。
Amazonでも「協働や発明は対面で行う方が容易で効果的」という理由で、5月から最低週3日の出社が発表され、その後に約9,000人の従業員を解雇することが発表されました。
このように、在宅勤務先進国であったアメリカにおいてもコロナ禍から日常を取り戻した会社において、在宅勤務よりも会社に出勤して対面で仕事をすることの重要性を再認識されたことが、出勤する働き方を企業が求める要因になったと言えます。
「仕事はチームで行うもの」ことが再認識されている
あなたの会社では職場から笑い声が聞こえますか?
私が社会人になった頃はまだ会社の事務所の中に喫煙所が設置されていました。 最近は喫煙所自体が存在しない会社やビルもありますが、この喫煙所でのコミュニケーションは…
こちらの記事でも書きましたが、職場における雑談の有用性については、科学的な根拠に基づいた必要性が認められています。
事務系の仕事において、技術的には在宅勤務を可能にする環境はDX(IT)化によってかなり企業で整備されてきましたが、それはあくまでも緊急的な場合に用いるもので恒常的に使用するものではない、ということを会社が理解したということが言えます。
私も経験がありますが、オンラインでの会議や商談ではあまり雑談は行わないことが多いと思います。
通常であれば、世間話やアイスブレイク的な話題のあとに本題に入ることが一般的ですが、オンラインの場合はその過程を飛ばしていきなり本題に入ることが多いです。
この現象は周りに人がいない、初対面の相手との距離感を掴む、という従来のコミュニケーションを行う機会をパソコンのモニターが阻害していることが原因だと思われます。
職場での雑談や対面での会話によるメンバーとの意思疎通は仕事をする上で、とても重要であることがコロナ禍における在宅勤務という仕事の仕方の問題点をあぶり出したことに会社は気づいたということになります。
在宅勤務を100%否定してはいけない
在宅勤務という働き方は、コロナ禍のような緊急性が高い場合、または通勤することが難しい方の一時的な働き方としては、有効な手段であることも在宅勤務の働き方として認識されました。
子どもさんの送り迎えや介護など働く側にもいろいろな事情があり、これまでは会社を辞めるという選択肢しか選ぶことができなかった人にも継続して働く機会を提供することができるようになったことが一般的に認識されたことは非常に意義があると思います。
よって、かつてのフレックスタイム制度の導入時のように毎朝提示に出勤するものという固定観念を変えたことで働き方の多様性が生まれたように、在宅勤務に関しても必要に応じて取捨選択することが必要です。
今後労働人口が減少していく中で優秀な従業員の定着率の向上は企業にとって重要な指標の1つになります。
そういう面において在宅勤務もできる、という環境を維持することは企業にとっても働く側にとっても有用な方法であることは間違いありませんので、あとは運用におけるルール作りを行うことが重要だと考えます。
【引用・参照元】
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