中小企業における給与が減らない週休3日は可能なのか?

中小企業における給与が減らない週休3日は可能なのか?

数年前から働き方改革の一環として週休3日制の議論が行われています。

当初の週休3日制の内容は、週5日勤務を週4日勤務として給与を1/5減らす方法が一般的な考え方でした。

しかし、現在においては給与を減らすこと無く週休3日制を導入すことを検討している企業が多くなっています。

果たして、中小企業においても給与を減らすこと無く週休3日制を導入することはできるのでしょうか?

そもそも週休2日制はどのように普及したのか?

私は1968年生まれですが私が子どもの頃は父親は土曜日も出勤していました。

よって少なくても1970年前後までは日本の多くの会社が週休1日制だったと思いますが、いつ頃から日本の企業は週休2日制に移行したのか?

調べた結果、松下電器(現:パナソニック)の松下幸之助が1965年に週休二日制を導入したのが日本で初めての週休2日制度だと言われていることが分かりました。

しかし、実際に松下電器以外の企業に週休2日制が普及したのは1980年頃からと言われており、松下電器が週休2日制を導入してから15年程度も経過したのちに、日本の企業の多くが週休二日制を取りれたとされています。

つまり、週休1日から週休2日に移行するのに約15年の期間が必要だった、ということが言えます。

であれば、今後日本企業に週休3日制が普及するまでの期間も週休2日制が普及した期間と同様に15年程度時間が必要と思われがちですが、実は意外と早く週休3日制が普及する可能性はあると考えます。

週休2日から週休3日に移行した実例

伊予鉄グループ(松山市)では毎週水曜日を定休日と定めることで、土日と合わせて週休3日制度を取り入れています。

ただし、出勤日の1日当たりの労働時間を8時間から10時間に延長することで週間の総労働時間は減らさずに週休3日制を取り入れていますので、給与が減らずに休日を増やすことを可能としています。

本来であれば、営業日が5日から4日に1日減るために、その1日分の仕事をどのようにこなすのか?が週休2日制から週休3日制へ移行する際の問題点になりますが、1日あたりの労働時間を増やすことで1週間の総労働時間を減らしていないため労働時間は減っていません。

よって、営業日が1日減少してもこれまで通り営業日5日分の仕事をこなすことが理論上はできることになりますので、給与を減らす理由がないという仕組みになります。

従業員からの反応も悪くなく休日が1日増えるメリットが1日の労働時間が増えるデメリットを上回っていると感じていると想定することができます。

当面はこの手法が週休3日制の主流になると思われますが、この方法を中小企業も取り入れることができるのでしょうか?

中小企業が給与が減らない週休3日制を導入できるのか?

できるのか?できないのか?と問われれば、できるということが言えますが、現状ではいくつかの条件が必要になると考えます。

1.社内で完結できる仕事であること

主には管理系部署のような仕事で、かつ外部との接点が少ない仕事である必要があります。

よって、飲食業やサービス業などの対コンシューマの業種の場合は、別の条件を満たす必要があると考えます。

2.交代要員が用意できること

伊予鉄グループは毎週水曜日を定休日と定めていますが、多くの中小企業の場合は取引先とのコミュニケーションが必要になるため、シフト制で週休3日制を導入することが現実的な手法になります。

同じ部署、または社内の出勤している人員だけで休暇中の人材の仕事をこなすことは恒常的に人材が不足している中小企業ではかなり難易度が高くなります。

よって、休暇中の人材の仕事を補える交代要員等を用意する必要性が生じます。

飲食業やサービス業の方々のような働き方、組織運営になるということです。

3.従業員間での情報共有の仕組みがあること

上記2でも伝えている様に土日以外の定休日を設けることが難しいため、シフト制による週休3日制を導入するということは、会社は週休2日であることになります。

よって、シフトで休んでいる従業員の業務、仕事の進捗状況などを他の出勤している従業員と共有しておかなければ、仮に顧客からの問い合わせ1つにも対応ができないことになります。

この場合は、業務管理システムの整備などが必要になります。

中小企業が定休日を定めて給与を減らさない週休3日制を導入できるたった1つの条件

それは大手企業が率先して週休3日制度を取り入れ、できれば毎週何曜日を定休日とする状態を作り上げることです。

仮に毎週金曜日を大手企業が定休日と定めることで、取引先である中小企業は金曜日が開店休業状態になります。

で、あれば上記に挙げた3つの課題もクリアすることが可能になるため、中小企業も半ば強制的に週休3日制度を取り入れざるを得ない状況になると予想できます。

現に、週休2日制が導入されたのも大手企業が採用したことで、取引先である中小企業に普及したことを考えても、中小企業が定休日を定めて給与減らさない週休3日制を導入できる条件は、大手企業の週休3日制の普及がポイントになります。

よって、常にオーバーキャパ状態で業務をこなしていることが多い企業は、今のうちに生産性を向上させる仕組みを導入しておかないと休日出勤することになるかもしれませんので、週休3日と生産性の向上はセットだと考えるのが無難だと考えます。

【引用・参照元】

nikkei.com

(会員制の記事になります)

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投稿者プロフィール

山下午壱
山下午壱エグゼクティブコーチ/経営コンサルタント
1968年生まれ。兵庫県出身。
玩具業界(商社)、映画業界を経て人材サービス業界で20年働く。
中堅規模の人材サービス会社の経営の傍らで多くの経営者と交流し、中小企業の社長の立場でコーチング、コンサルティング実績を積む。現在はエグゼクティブコーチ+経営コンサルタントを組み合わせた独自の手法で活動中。