中小企業・ベンチャー企業の社長の右腕は相談相手として適切なのか?

中小企業・ベンチャー企業の社長の右腕は相談相手として適切なのか?
社長の右腕と言われる人(実質の会社のNo.2)がいる会社がありますが、その社長の右腕たる人物は、中小企業・ベンチャー企業の社長の適切な相談相手と言えるのでしょうか?

社長の右腕(会社のNo.2)とはどのような人材を指すのか?

現在では世界的な自動車メーカーであるホンダは、創業者の本田宗一郎氏の伝説ばかりが表面上は有名ですが、その裏側には藤沢武夫氏という本田宗一郎氏の右腕の存在があったことが、現在のホンダの基礎を作ったと言えます。

本田宗一郎氏は根っからの技術屋であり負けず嫌いで有名な経営者です。

まだホンダが日本の小さなバイクメーカーだった頃から、米国でのバイク販売やバイクレース、そして後には自動車レースの最高峰であるF-1にまで参戦することを誰も止めれることができませんでした。

そんな破天荒な本田宗一郎氏という名物経営者を影で支えていたのが右腕の藤沢武夫氏です。

バイクや自動車レース、そして新技術の開発には膨大な資金が必要ですが、本田宗一郎氏の頭から湧き出すアイデアを次々と形にすることが会社の成長に欠かせないと考えた藤沢武夫氏は表舞台にあまり顔を出すこと無く、資金面で本田宗一郎氏を支えてきました。

その様な藤沢武夫氏の評価は晩年になり、日本一の社長の右腕と呼ばれるようになりましたが、それは彼が本田宗一郎氏の裏方に徹したことが評価されたと思われます。

社長の右腕は良き理解者であるが適切な相談相手ではない

ホンダにおける藤沢武夫氏の姿から見える理想の社長の右腕とは、社長の良き理解者であっても適切な経営に関する相談相手ではないことが、これで理解できると思います。

社長の右腕とは、社長が掲げる理想を達成させるために、社長の裏方として自己犠牲を受け入れることができる人材が最適です。

つまり、社長が経営判断を行う際には右腕が相談相手になるのではなく、社長が決めたことを忠実に実行するための準備を整え実行させることができる人物だ、ということです。

よって、優秀な社長の右腕は社長に相談される立場ではなく、言葉を選ばずに言うのであれば社長の忠実な下僕(しもべ)であるべき存在であることが重要です。

しかし、多くの社長は社長の右腕を経営の相談相手の1人として認識していることが多く、また実際の社長の右腕もそれが当然だと思っている場合がほとんどです。

これでは中小企業・ベンチャー企業の経営は、順調に推移することはできません。

社長は社長の右腕を経営の相談相手にしてはイケない

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こちらの記事でも少しお伝えしましたが、社長は社内に経営の相談相手を作るべきではありません。

また、その相手が社長の右腕と呼ばれる存在の人間ではあってはイケないのです。

なぜなら、社長が右腕に経営判断に関与することは、社長の意志が経営に反映されなくなるということです。

社長の意見に右腕の彼が反対するのであれば今回は右腕の顔を立てる、などの判断をすることで社長の意志が経営に反映されなくなります。

そして、右腕の判断が間違っていたとしても社長は右腕を責めることもできずに責任の所在がハッキリしないままに経営は迷走していきます。

このような社長と右腕の関係はある意味、会社の中に2人のボスがいる状態になり、互いを牽制または遠慮する構図となり会社の指揮命令系統が混乱します。

よって、社長の右腕たる人物は、社長の下僕(しもべ)の如く、社長の理想の実現に向けた実行部隊に徹することが本来の社長の右腕の使命であるということです。

このようなことから、社長の右腕のみならず社長が経営に関する判断を相談する相手を会社の中に作ることは百害あって一利なしなのです。

もし、社長が右腕を経営のパートナーと思っているのであればすぐにその考えを改めて、お互いの立ち位置を明確にする話し合いをすることをお奨めします。

そして、社長は社外の利害関係のない経営者または経営経験のある人物を経営の相談相手として探す努力をするべきだと考えます。

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投稿者プロフィール

山下午壱
山下午壱エグゼクティブコーチ/経営コンサルタント
1968年生まれ。兵庫県出身。
玩具業界(商社)、映画業界を経て人材サービス業界で20年働く。
中堅規模の人材サービス会社の経営の傍らで多くの経営者と交流し、中小企業の社長の立場でコーチング、コンサルティング実績を積む。現在はエグゼクティブコーチ+経営コンサルタントを組み合わせた独自の手法で活動中。