従業員へ行動量と行動の質を指示すると反対される社長の特徴

従業員へ行動量と行動の質を指示すると反対される社長の特徴

会社や組織が目標を達成するためには、「行動量」と「行動の質」のバランスが大変重要です。

行動量が高くても質が伴わなければ成果は上がりにくく、逆に質が高くても行動量が少なければ目標には届きません。

そのため、経営者は従業員に対して「行動量を増やしてほしい」「行動の質を向上させてほしい」という指示を出すことがよくあります。

しかし、こうした指示に対して従業員が反発するケースも少なくありません。

本記事では、行動量と行動の質の重要性を再確認し、従業員から反発を受けやすい社長の特徴や、効果的なリーダーシップスタイルについて解説します。

この記事のポイント
  1. 行動量と行動の質の重要性:成果には「行動量」と「行動の質」のバランスが重要で、どちらか一方に偏ると効果が薄れる
  2. 反対されやすい社長の特徴:マイクロマネジメントや一方的な目標設定、コミュニケーション不足が従業員の反発を招く
  3. 自律性重視のリーダーシップ:Googleの「20%ルール」など自律性を重視した管理が、従業員のモチベーションや創造性を高める

 

行動量と行動の質とは何か?

まず、行動量と行動の質の違いについて明確にしておきましょう。

行動量とは、従業員がどれだけの時間や労力を費やしているかという「量」に着目した指標です。

例えば、営業職であれば訪問数や電話件数などが行動量として測られることが多いです。

一方で、行動の質とは、その行動がどれだけ効率的に目標達成に繋がっているかを示す指標です。

営業でいえば、訪問した件数だけでなく、顧客とどれだけ有意義な関係を築き、結果的に成約に結びついたかが重視されます。

多くの企業では、この行動量と行動の質の両方を向上させることが求められますが、両者が常に比例しているわけではありません。

例えば、行動量を増やすために過剰な労働を課せば、従業員の疲労が溜まり、結果的に行動の質が低下する恐れもあります。

そこで、行動量と質のバランスが重要視されるわけです。

行動量と行動の質の相乗効果とその重要性

行動量と行動の質がバランスよく保たれていると、従業員のパフォーマンスも向上し、組織全体としての成果が上がりやすくなります。

行動量が増えることで経験値が上がり、その中で行動の質も徐々に向上していくためです。

例えば、ある営業担当者が訪問件数を増やし、行動量を意識的に増やすことで、顧客との対話スキルや対応力が向上し、結果的に成約率も向上するといったケースが見られます。

一方で、行動量や行動の質のどちらか一方に偏ってしまうと、成果が出にくいどころか、従業員のモチベーションやメンタルヘルスにも悪影響を及ぼす可能性があります。

したがって、経営者はこのバランスを保つための指導が求められるのです。

行動量と行動の質を指示した場合に従業員が反対する理由

なぜ、従業員が行動量や質を向上させるための指示に対して反対するのでしょうか。

その理由にはいくつかの心理的な要因が関係しています。

1.コントロールされることへの抵抗

多くの人は、仕事において一定の自由や自律性を求める傾向があります。

過度に指示や指導が行われると、従業員は自分の行動が全て管理されていると感じ、反発することがあるのです。

2.指示の目的が不明確

行動量や質を向上させることが、なぜ重要なのかを理解できていないと、指示を受けた従業員は「なぜそんなことをする必要があるのか?」と疑問を抱きます。

特に、行動量だけを増やすような指示が出されると、成果よりも作業量だけが増えてしまうため、不満を感じやすくなります。

3.フィードバック不足による不満

行動量や質の指示を受けた従業員が実際に行動を起こしても、上司から適切なフィードバックがないと、改善のための方向性がわからず、指示に従う意味を見失ってしまいます。

従業員の反対を引き起こす社長の特徴と具体例

従業員に指示を出す際、反発を引き起こしやすい社長の特徴にはいくつか共通点があります。

1.マイクロマネジメント

細かく指示を出し、従業員の行動を逐一確認しようとするタイプの社長は、従業員の自由度を奪い、反発を招きやすいです。

特に、自律的に仕事をしたいと考えている従業員ほど、マイクロマネジメントには強い抵抗感を示します。

2.目標の押し付け

成果を上げるための目標設定は重要ですが、社長が一方的に目標を押し付けると、従業員の主体性が失われます。

目標を共有しないまま強制するような態度は、従業員のモチベーションを低下させ、反発を引き起こす原因となります。

3.コミュニケーション不足

行動量や質に関する指示を出す際、社長が意図を明確に伝えず、ただ指示するだけでは、従業員が指示の意図を理解できません。

適切なコミュニケーションを欠いた指示は、従業員に不信感を抱かせ、結果として反発を生みます。

反対を防ぐためのリーダーシップスタイル:自律性の重視

従業員からの反対を避け、行動量と質の向上を実現するためには、自律性を重視したリーダーシップが有効です。

従業員に目標や行動の方向性を示しつつ、その達成方法については彼ら自身の判断に任せることで、主体性を引き出すことができます。

このようなリーダーシップスタイルの効果は、以下の実例や調査研究によっても確認されています。

事例1:Googleの「20%ルール」

Googleは、従業員が勤務時間の20%を自分の興味や情熱を注げるプロジェクトに自由に使うことを認める「20%ルール」を導入しています。

このルールにより、社員は自分のペースで創造的なプロジェクトに取り組むことができ、従業員の自主性とモチベーションが高まる仕組みを整えました。

その結果、GmailやGoogleニュースなど、現在では同社の代表的なサービスがこのルールのもとで誕生しました。

この事例からも、自律性を重んじたリーダーシップが、社員の満足度や仕事の質を向上させ、革新的な成果を生む効果があることが分かります。

事例2:シドニー大学ビジネススクールのメタ分析

シドニー大学ビジネススクールの研究チームが行った大規模なメタ分析は、行動の自律性が高い環境で働く従業員が、創造性や協力性が高まり、仕事の成果を向上させやすいことを示しています。

この研究では、139のリーダーシップスタイルに関する研究を対象に、自律性を尊重するリーダーシップがいかに人間関係の信頼性やアイデアの共有意欲に良い影響を与えるかが明らかにされました。

研究チームのジェームズ・ドナルド教授は、「人に仕事の『なぜ』を理解させ、自分で進め方を選べる自由を提供することが、成果を引き出す鍵となる」と指摘しています。

このように、コントロールよりも自律性を重視したリーダーシップスタイルが、従業員のモチベーションと生産性を引き出す効果があるとされています。

反対された社長の今後のアクションプラン

行動量と行動の質は、組織が目標を達成するために欠かせない要素です。

しかし、これらを従業員に押し付ける形で指示することは、逆効果になりかねません。

従業員に対して自律性を尊重したリーダーシップスタイルを導入することで、反発を避け、行動量と質のバランスを取りながら成果を引き出すことが可能です。

今後のアクションプランとして、まずは行動量と行動の質についての理解を深め、従業員とのコミュニケーションを密に行いましょう。

また、目標の設定にあたっては、従業員が自らの行動に意味を見出せるよう、目的を明確に伝え、自由度のある働き方を推奨することが効果的です。

これにより、組織としての成長を加速させることが期待できます。

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